ACORのミニフロアポンプAMP-21301 AS3レビュー

レースや出張先でチューブレスタイヤがパンクしてビードが落ちてしまうと、小型サイズの携帯ポンプでは間に合わないときがある。

フロアポンプと同等の性能で、空気圧ゲージとハンドル・スタンドが付き、限りなくコンパクトに持ち運べるミニフロアポンプが存在する。Action Sportsの販売するACOR AMP-21205 AS3という製品で、見た目にこだわらなければ自転車のフレームに装着することもできる。

考えようによっては、これ一本であらゆる場面に対応できる。現在はBBBの携帯ポンプと併用するかたちに落ち着いたが、収納効率を考えるとAS3以上のフロアポンプは不要といえる。

ACOR AMP-21205 AS3

岐阜の出張先でロードバイクがパンク。出先で借りたママチャリ用の空気入れでは、フレンチバルブに変換してもタイヤのビードが上がらなかった。

自宅に備えてあるACOR AMP-21205の軽量ポンプが気に入っているので、もう一本買おうと思ったら、さらに小型のポンプが出ていることを知った。

AMP-22301 AS3は「ミニフロアポンプ」という扱いだが、実はフレーム固定用のクリップも付いてくる。

ACOR AMP-21301 AS3

一般的な携帯ポンプに比べれば大きいとはいえ、開閉式スタンド・ハンドルや空気圧ゲージも付いていてハイスペックだ。使用時は長さが2倍に伸びて、最大120psi、8.3気圧まで空気を入れられる。

ACOR AS3の使い方

ACOR AS3のパッケージには、以下のようなスペックや商品説明が書かれている。しかし肝心の説明書は付いてこない。

ACOR AS3の説明書

(クリックで拡大)

空気入れの使い方など直感的にわかりそうなものだが、胴体をどうやって伸ばせばいいのかわからなかった。Lock/Unlockの部分と最上部にあるネジは回せるが、内部にある銀色のシリンダーがどうしても出てこない。

試行錯誤の末、ペンチで力をかけて回したら、ようやくロックが外れた。たまたま締め付けの強すぎる不良品だったのか、原因はよくわからない。

ACOR AS3のシリンダーロックの外し方

ポンプの口金は仏/米式に対応するデュアルヘッドになっている。フレンチバルブに合うのは青い方だ。色の塗り分けだけでなく、何か説明が書いてあれば迷わず使えて便利だと思う。

ACOR AS3の口金部分

口金をチューブのバルブに当てたまま、黒い軸部分を持って赤青部分を回転させるとネジが噛み合う。あらかじめネジで固定しておかないと、ポンピング中に定位置でキープするのは難しい。

ACOR AMP-22301の使用状況

クリップ式でないので着脱に手間はかかるが、ネジ式の方が固定力は大きい。先端部が小さいので、スポークの隙間が狭い小径車にも使えそうだ。

6気圧くらいまでは難なく空気を入れられるが、それ以上は両手で体重をかけてハンドルを押し込まないと注入できなかった。がんばればスペックどおり100psiまで入る。その点では小型の携帯用ポンプより性能がすぐれている。

ACOR AS3の隠し機能

ACOR AS3の売りとして、注入する空気の量を調整できる機能がある。胴体黒軸上部にあるネジをゆるめてUnlock方向に回すと、ポンピングの効率が増すように見える。

ACOR AS3のLock/Unrock部分

目いっぱいアンロックしても特に変わった感じはしなかった。特許申請の番号は印字されていて目立つのだが、肝心の使い方がよくわからない。

Action Sportsのサイトで公開されている動画を見ると、胴軸のシルバー部分を下げた方が注入できる空気圧は増すようだ。何となくUnlock (barrel)の方に回した方が圧力は増えそうに思うので混乱する。

空気圧ゲージは胴体内部に格納されており、反対側の折りたたみペダルを倒すとバネのように飛び出る仕組みになっている。メーターは小さく必要最小限というかたちだが、これでも十分実用的。ペダルと連動するのは使用時の時間短縮につながり、おもしろいギミックだ。

ACOR AS3の空気圧ゲージ

またハンドルの持ち手を起こすと、力をかけやすいT字型に固定できる機能がある。パイプの方にハンドルと噛み合うよう溝が掘られており、この点もよくできている。

ミニフロアポンプという立場

AMP-22301の「ミニフロアポンプ」という立ち位置は絶妙だ。

自転車のフレームに固定するにはやや大きいが、バックパックには入る。自宅にちゃんとしたフロアポンプがあればそちらの方が効率的だが、時間をかければ一応10気圧程度は空気を入れられる。

他に持っている空気入れ3本との使い勝手を比べてみたい。

BBB Oval Integrate

ロードバイク本体には、BBBのオーバルインテグレート(Mサイズの長い方)を取り付けて携帯している。平べったいかまぼこのような断面形状で、トップチューブの下にぶら下げると目立たず空気抵抗も下げられる。

これまでクリンチャー式のチューブに空気を入れるなら、BBBのこれで十分だった。しかし、ビードの落ちたチューブレスタイヤにはさすがに対応できない。

ツーリング中にチューブレスがパンクしたら、道すがらオーバルで抜けた空気を補充しながら帰るかたちになる。本格的な修理には使えない(効率も悪い)。

ACOR AMP-21205

同じくACORから出ているAMP-21205は「軽量キャリーフロアポンプ」という扱い。普通のフロアポンプと遜色なく使えて、チューブレスタイヤのビードも上げられる。

ACOR(エイカー) AMP-21205 軽量キャリーフロアポンプ

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台座が折りたためてハンドルもネジで外れるため、分解すればかなりコンパクトになる。バックパックで背負った持ち運ぶには大きいが、細身なので輸送用のバイクケースには収められる。

トライアスロンのレース遠征用に買ってみたが、実際は会場でポンプを借りられることが多く出番が少ない。出先で使うというよりも、折りたためば家の中でもかさばらないのが便利だ。

SERFAS FP-200

ロードバイクの購入時に合わせて買った、サーファスの定番フロアポンプ。安定感は抜群で機能も問題ないが、3,000円前後で手に入るというお値打ち品だ。

いつの間にかカラーバリエーションが増え、ショップや公共施設などいたるところで見かけるようになった。とりあえず自宅用なら「これがあれば十分」といえる品質で、相当普及している人気商品。ただし重量とかさがあるので、持ち運びには厳しい。

携帯ポンプとAS3があれば十分

究極的にはACOR AS3が一本あれば、すべての場面に対応することができる。ミニマリスト向けの決定版といえる商品だが、専用特化した製品に比べると妥協する部分が出てくる。

まず携帯用ポンプとしては、見た目が大げさになる。付属のマウントでボトルケージの脇に固定できるが、見慣れた携帯ポンプと比べれば違和感がある。特に薄側のBBBオーバルを使っていると、乗せ換えるのに抵抗を感じる。

また自宅に強力なフロアポンプがあれば、あえてAS3を使う場面はない。中型サイズのAMP-21205で必要十分と感じたので、サーファスのFP-200はそのうち人に譲ってしまった。しかしAMP-21205まで処分してAS3で代用するのは、まだ抵抗がある。もし今後引っ越しが増えて収納スペースも限られるなら、いよいよ手放してもよいかと思う。

数年使ってみた感想として、ACOR AS3はぎりぎりフロアポンプの代用になる。ただしバイクに固定するのは、よりコンパクトな携帯ポンプの方が似合う。引っ越しや遠征が多いサイクリストには、BBBオーバルクラスの極小ポンプと、ACOR AS3の2本使いがベストなソリューションと考えられる。