GIANTの横置き型輪行袋SUPER LIGHT BIKE BAGレビュー

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ロードバイクの遠征用に、ボトルケージに収まるサイズのコンパクト輪行袋を購入。エンド金具のいらない横置き型で、安くて見た目のよかったGIANTの製品を選んでみた。あまり見かけることのないスーパーライトバイクバッグについて、レビューしてみたい。

TIOGAコクーンは場所を取る

輪行袋はタイオガのコクーンという製品をひとつ持っている。フレームに後輪を装着したまま運べるので、初心者には扱いやすいかと思ってバイクと一緒に買いそろえた。

確かに梱包は楽なのだが、使ってみると想像以上に場所を取る。伊豆大島のトライアスロン大会に出た際、竹芝のフェリーターミナルまで都心経由で輪行するのは一苦労だった。

コクーンは使っていないときも場所を取るので、輪行袋は省スペース型の方がうれしい。慣れれば後輪を着脱するなど、たいした手間でもないと気づいた。

輪行袋は縦型より横型

極小サイズの輪行袋で、一番の売れ筋はOSTRICHのL-100。縦置き型で場所を取らない代わりに、フレーム保護のためエンドに金具を挟む必要がある。

別売りのリア用エンド金具は持っているが、構造的にどうしても場所を取る。ボトルケージやジャージのポケットに収まるサイズではない。輪行するなら、エンド金具を持ち運ぶために別のバッグが必要になってしまう。

エンド金具のいらない横置き型輪行袋としては、モンベルのコンパクトリンコウバッグが定番だ。「シートを自転車にかぶせて巾着を閉じるだけ」という使い勝手のよさは変わらない。L-100よりもかさばるが、かろうじてボトルケージにも収まる。

強いて欠点を挙げるとしたら、袋の色が緑、ベルトは黄緑でモンベルの白いロゴがやけに目立つ。ボトルケージに収納することを考えると、できればフレームと同じブラックでロゴも地味な方がうれしい(最近マイナーチェンジして黒色になったようだ)。

東急ハンズで安く買えたGIANTのバッグ

たまたま東急ハンズの自転車コーナーを探してたいら、見たことのないジャイアントの輪行バッグを見つけた。GW中のハンズクラブアプリ10%オフクーポンを適用して、税込3,694円。通販でも5千円以上するオーストリッチやモンベルより圧倒的に安い。

SUPER LIGHT BIKE BAGの外袋

コンパクトリンコウバッグと同じ収納方法で、見た目がシンプルなのは好感が持てる。価格的なメリットも大きく、今回はジャイアントのバッグを買ってみることにした。

SUPER LIGHT BIKE BAGの使い方

GIANTの輪行バッグには簡単なイラスト付きの説明書も含まれている。

GIANT SUPER LIGHT BIKE BAGの説明書

使い方としては、まずホイールを外して付属のストラップでフレームに縛り付ける。元からついているクリップ型の留め具では、固定力にやや不安がある。代わりに適当なベルクロテープや結束バンドに交換するのもありだろう。その方が着脱も早くなる。

次に展開したカバーを上からかぶせて、ヒモを引いて口を閉じれば完成。あまったヒモは束ねてポケットに格納できる仕組みになっている。一本だけ長いベルトが入っているので、これを肩掛けできる位置にセットして上部の穴から出すと運びやすい。

SUPER LIGHT BIKE BAGに付属のベルト

このようにバイクを上下逆さにして、ハンドルとサドルが地面に接するかたちになるのが横置き型輪行袋の特徴。その後、新幹線で輪行して名古屋駅前で開梱した状態がこちら。

輪行袋から取り出したロードバイク

フォークとリアのエンド金具は「あれば安心」だが、ぶつけないように注意して運べば必須でない。

収納時の輪行袋

袋の生地は丈夫なので、フォークの先端が人に刺さることなどそうそうないだろう。心配なら軍手やグローブを巻き付けて養生すればいい。

コンパクトすぎてしまいにくい問題

コンパクト型輪行バッグのデメリットとして、「使用後に収納しにくい」という問題がある。使っているうちに生地の折り目もずれてくるので、折りたたんで外袋に収めるのが次第に難しくなる。

輪行袋

その結果、ジッパーが半開きのだらしない格好でボトルケージに突っ込むことになる。膨らんだハムのような状態で樹脂製ケージに無理やり突っ込んでいたら、さすがに割れて壊れてしまった。

収納のコツとしては、ホイールを結ぶベルトの本数を絞ること。慣れれば元から入っているベルトをすべて使う必要はない。

他社製品より安いとはいえ、「ジッパーが閉まりにくい」以外は特に不満を感じていない。バイクのフレームはGIANT製でないが、外袋のロゴはいたって控えめ。見えないようにボトルケージにセットすれば目立たない。

横置き型のコンパクトな輪行袋が欲しいが、モンベルはダサい」と思っている人にはおすすめだ。今のところ、人とかぶったこともない。

輪行袋の効率的な収納方法

GIANTの輪行袋、SUPER LIGHT BIKE BAGは安くて便利だが、コンパクトすぎて収納が難しいという問題がある。

輪行時はたたむのが面倒なので、つい適当に丸めたままバックパックに突っ込んでしまう。本来はボトルケージに収まる仕様のはずなのに、外袋の寸法がタイトでジッパーが閉まらない。

試行錯誤して効率的にしまうための方法を考えてみた。コツとしては「ベルトを最小限の本数しか持ち運ばない」こと。経験上、ホイールとフレームを束ねるには、最低3本あれば足りる。本体を手でつかんで運べば、肩掛けショルダーも必要ない。

あとは手順通りに落ち着いて作業すれば、ボトルケージに収まるサイズまで圧縮できるはずだ。

スーパーライトバイクバッグのしまい方

  1. 輪行袋を平らに広げて、しわを伸ばす。
    SUPER LIGHT BIKE BAGを展開した状態
  2. 中に収納するベルトは肩掛け用1本(オプション)と、固定用の3本だけにする。この本数ならチェーンとスプロケットカバーも一緒に収納できる。
    SUPER LIGHT BIKE BAGの付属ベルトなど
  3. 外袋の長辺の長さ分(約16cm)の幅で折りたたんでいく。この際、一方向に丸めるのではなく、扇子のように交互に折るとかさを減らせる。
    SUPER LIGHT BIKE BAGの折りたたみ方
  4. たたみ終わったらベルトとカバーを袋の上に置く。
    SUPER LIGHT BIKE BAGの巻き取り方
  5. 袋を端から丸めていく。ここでは交互に折らずベルト類を巻き取るようにする。キャンプ用の寝袋をしまうように、なるべく体重をかけて圧縮しながら巻くのがポイント。
  6. 外袋を反転させて収納する。最初はジッパーが完全に閉まらなくても、とにかく袋の内側に中身を収める。
    SUPER LIGHT BIKE BAGを袋に収めた状態
  7. 袋の中身を揉みほぐしながら中身のかたよりを取る。ジッパーの中央部分は外袋を引き寄せてから、余裕のある状態で締めた方がよい。無理やりジッパーの引手をつかんで閉めようとすると、金具が壊れる。
  8. ジッパーを閉めた後、さらに揉んで縦長になるよう形を整える。全体的にバランスが取れて袋が張った状態になると、スムーズにボトルケージに収まる。
    SUPER LIGHT BIKE BAGの梱包完成状態

一連の作業に5分くらいかかるが、根気強く取り組めば購入時のかたちを再現するのも不可能ではない。

あると便利なパーツのカバー類

横置き型の輪行袋なので、エンド金具はなくても自立できる。しかしチェーンとスプロケットを保護するカバーは、オプションとして持っておくと便利だ。

輪行時のチェーンカバー

袋の内側がオイルまみれになり、着脱時に手が汚れることを防ぐことができる。輪行時の保護効果も少し増すうえ、布製カバーなら輪行袋と一緒に束ねて持ち運ぶことも可能。

輪行時のスプロケットカバー
パーツのカバー類は、オーストリッチの市販品を流用できる。スプロケットカバーはサイズがタイトだったので、後からMTB用の大型に替えたら改善できた。

特にこだわりがなければ、ロードバイクでもMTB向けのラージサイズを選んだ方が無難。これの「ロード用」は、極小スプロケットでも漕げるくらい脚力のある上級者向けだ。