DABADAの格安トレッキングポールレビュー。ノルディックも可能

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膝のリハビリのために、ノルディックウォーキングを始めた。とりあえず購入したポールは、DABADA(ダバダ)というブランドの格安品。アルミ製で3分割できるコンパクトタイプが、通販でたったの4,000円だった。しかも交換用のゴム脚まで付いてくる。

2か月ほど使ってみたところ、近所を散歩する程度のウォーキングならこれで十分。アグレッシブ/ディフェンシブスタイルに両対応できて、品質も問題ないとわかった。ダバダ製品の使用感についてレポートしてみたい。

ポールのメジャーブランド

トレッキングポールのメジャーブランドは以下の5つだ。

  • LEKI
  • Black Diamond
  • SINANO(シナノ)
  • naito(ナイト工芸)
  • mont-bellモンベル

探せば他にもいろいろ出てくるが、店頭での取り扱いや流通量が多く、ウェブでレビューが見つかるのはこのあたり。アウトドアブランドも数多く参入していて、安そうなコールマンが1万もするポールを売っていたりするので、あなどれない。

とりあえずMt.石井スポーツの店頭でノルディックタイプを試せたのはLEKI(レキ)。登山用のストックとして一二を争う人気度だと思う。

アルミ/カーボンという素材、折りたたみ機能の有無、付属グローブの違いによって、ノルディック用だけで現行モデルが8種類もラインナップされている。一番安いスピンで通販価格は7,000円くらい。折りたためるカーボンともなれば、軽く2万円を超える。

素材や重量というのはわかりやすい指標だが、ストラップやグローブの違いは使ってみないとわからない。そもそもノルディックウォーキング自体、続けられるかわからないので、最初はもっと安い製品でよい気がした。

通販の格安ブランド

ネットの通販で探すと、LEKIより一回り安い謎の格安ブランドが数多く見つかる。類似製品をリストアップすると、なんと40以上もあった。

VISSSVI、CONVACURE、Glymnis、enkeeo、Cisico、Unigear、WITTMES、Bestamber、Aubern、YOURJOY、CONTOOSE、Moon Lence、HAWK GEAR、LAMPTOP、RINSUKII、XJD、Andake、BEATON JAPAN、IREGRO、Irypulse、Forrinx、BARRAGEON、Hewolf、Pacemaker、Ohuhu、UPLON、SEIKOH、Brotree、TRIWONDER、Elome、Cukke、Travelcool、Ariga、UPSLON、ATiC、FE Active、MRG、Twin-happiness、FIELDOOR、PACELEADER、RUNACC、isYoung、TOMSHOO、CREEPER、Zerone、JOYTUTUS、KIZAKI…

何だかよくわからないネーミングが多いが、中にはRINSUKII(リンスキー=チタン製?)、SEIKOH(セイコー?)という怪しげな名前も出てくる。すべて中国製で、製造元は同じだったりするのかもしれない。同じ価格帯で、キャプテンスタッグのような有名どころもポールを販売している。

このあたりの製品なら、アルミ製でペア千円台から手に入る。安すぎて不安になるが、中身は有名ブランドとたいして変わらないのかもしれない。一体どれほどのコストパフォーマンスがあるのか、格安品を試してみたい気がしてきた。

DABADAの3分割タイプを購入

低価格製品の中でもひときわ目立ってレビューも多いのが、DABADA(ダバダ)というブランド。評価はまちまちだが、値段のわりには好意的なコメントが多いように見受けられる。

もれなく中国製だが、SGマークを取得している製品もある。たった3,000円なのにアンチショック機能が付いていたりして、なにげに高機能だ。

アンチショックは付かないが、超コンパクトになる三節棍タイプも4,000円で販売されている。

ネットの通販で買うと、登山用とウォーキング用のゴム脚アタッチメント、さらにバスケットまでオプションで付いてくる。とりあえずウォーキングで試してみたいと思い、収納性を重視して3分割できるタイプを買ってみた。

※2019年12月現在、3分割タイプは販売中止の模様

DABADAのトレッキングポールと付属品

 

下部固定ボタンの詳細

ダバダのポールには収納袋と替えのキャップが数種類付いて来る。先端のゴムは回せば簡単に着脱できる。固定力はしっかりあり、使用中に回ってゆるんでくることはなかった。

DABADAのトレッキングポールアタッチメント

本体の組み立てに少し手間取ったが、説明書に従い下段のシャフトを引き伸ばしたら、丸いボタンが出てきてロックされた。この小さな突起で荷重を支えるというのが不安要素のひとつ。しかし平地でノルディックウォーキングに使用する範囲(荷重5kgくらい)では特に問題なかった。

DABADAのトレッキングポール固定パーツ

下り斜面で思い切り体重をかけたりしたら、この固定個所から壊れそうに思う。命を預ける道具としてDABADAは不安な気もするが、そもそもポールに体重をかけすぎるのは間違った使い方だろう。

分解して収納する際は、この丸突起を押し込まなくてはならない。そのままテンションがかかった状態では、大人の男性でも指先で押し込むのは至難の業。片手で杖の先端を引っ張って圧力を弱めつつポッチを押せば、すんなりと引っ込む。少しだけ腕力とテクニックが必要だ。

伸縮範囲が長めなので注意

グリップの下にあるレバーの固定力も問題ない。ノルディックウォーキングのポール長さ推奨値は身長×0.63。自分は174cmなので、計算すると110cmくらいが適正値となる。

DABADAのポールは110の目印を超えて、もう少し縮めることができる。それでも実測では105~125cmが限度なので、逆算すると身長167cm以上はないと合わないことになる。

DABADAのトレッキングポール長さ調整

さらにディフェンシブスタイルで前方着地する場合は、アグレッシブフォームよりポールが短い方が安定する。自分の場合、右肘の可動域が狭い(屈曲角度は最大90度くらい)ので、通常より体の下側で杖を突きたいという事情もある。

DABADAの伸縮範囲はそこそこ広いが、かなり背の高い人向けにセッティングされている。3分割でない伸縮タイプの製品なら、調整できる長さは100~125cmと若干広がるようだ。

初期装備のキャップは寿命が短い

先端ゴムはひとまず初期装備のトレッキング用のままウォーキングに使ってみた。リハビリの初期段階ではディフェンシブで前方・垂直に接地するので、ゴム底が傾斜している必要はない。付属のバスケットアタッチメントも、街中では使う機会がないだろう。

丸いゴム脚でも舗装路は問題なく歩けたが、毎日1時間・1か月ほど使うとカツカツいう音が気になってきた。ストックのキャップを見ると、ゴムが摩耗して金属製の石突きが露出している。

DABADAのトレッキングポール先端部分の摩耗

このまま使えないこともないが、ポール本体のパーツをすり減らすのはもったいない。またアスファルトに金属が当たる音も、ずっと聞いていると耳障りに感じる。

ウォーキング用のゴム脚がベター

そこで次はウォーキング用のゴム脚アタッチメントに交換してみた。こちらの方がゴムに厚みがあるので、地面に着いた際の衝撃がやわらげられる。ただしポール全体の重量は増す。

DABADAのトレッキングポールゴム脚

接地面を合わせて斜めに突くと、グリップが効いてかなりの推進力を得られる。アグレッシブスタイルでノルディックウォーキングするなら、やはり専用キャップの方が理に適っているように思う。ゴムが厚い分、舗装路ではこちらの方が寿命も長そうだ。

ただし使っているうちに先端パーツが勝手に回転して、接地面がずれてしまう問題がある。ゴムキャップを足で踏んで杖を回転させればすぐに戻せるのだが、面倒なので角度がずれたまま気にせず突くようになった。変な角度で接地するのでグリップ力は下がるが、とりあえずこれでも使えないことはない。

キャップの回転問題はDABADAの仕様なのか、自分の使い方が悪いせいなのか原因不明。観察すると、右手の方だけ反時計回りに回る傾向がある。ポールを突く際に、右側だけ変にひねる癖があるのかもしれない。肘の障害のためか、手首を回内させる方向に杖を突いているように見える。

ポールを少し長めにセットして、アグレッシブスタイルで斜めに突くと自動回転問題は解消された。ウォーキング用のゴム脚でディフェンシブに使うと、先端パーツが回転するのは避けられない問題なのかもしれない。

トリガーやグローブがあれば便利

DABADAのポールには、LEKIのようなウォーキング専用トリガーやグローブは付属しない。その代り、長さ調整のできるストラップがグリップ上端に付いている。

グリップの一部はコルク素材のように見えるが、実際はプリントしてある柄にすぎない。それでも固めで弾力性のあるEVA素材が使われているので、汗で滑ることもなく握り心地も快適だ。

DABADAのトレッキングポール、ストラップ部分

本来のノルディックウォーキングでは、ポールを突き終わって前方に戻す際、手を開いてグリップをいったん離す。手の握力をゆるめて緊張を解くことで、リラックスさせる効果があるのだろう。ストラップやグローブでポールと手首を結んでいなければ、このテクニックは使えない。

DABADAの簡易的なストラップでも、ノルディック的なグリップリリースを実現できないことはない。ただし手を離した際の安定感は専用グローブに劣ると思う。

また高級ブランドのポールのように、ストラップに手を通したままグリップを離せる機能もあれば便利だ。汗を拭いたり鼻くそをほじったり、顔にまとわりつくクモの巣を払ったりと、ウォーキング中に杖から手を離したい場面はよく出てくる。

ストラップなしで握力強化できる

着脱が面倒なので、ストラップに手首を通すのは途中からやめてしまった。夏場は汗ばむので、汚れや臭いが気になりそうという理由もある。

ストラップなしで1時間もグリップを握り続けていると、さすがに腕がしびれて疲れてくる。1歩ごとに5kg近くの体重を乗せるには、それなりの力で握る必要があるからだ。

DABADAのトレッキングポール、グリップ部分

これを逆手に取れば、ストラップに頼らずポールを握り続けることで握力強化できるという一面もある。素手でノルディックウォーキングを続けたおかげか、筋トレ用のハンドグリップを連続で握れる回数が増えた。

太軸の方が安定する

ゴムキャップを替えつつ2か月DABADAを使ってみて、それほど不満はない。有名メーカーの上位製品を使えば、便利な機能はいろいろ出てくるのだろう。それでも今の自分にはDABADAで十分という気がする。

もしポールを買い替えるとしたら、次はもう少し太くてしっかりした製品を選びたいと思う。DABADAの3分割タイプは、下から12-14-16cmという直径になっている。7025のアルミ合金で強度に問題はないが、勢いよく突くとポールがたわんでビリビリ振動する感触がある。

DABADAのポール直径

LEKIのプレスティージSLやシュプリームシャーク2なら二段伸縮で14-16mm。軽量モデルのプレスティージライトSL2ならダバダに近い12-14mmになるが、自分の場合は重くなっても太軸モデルの方が合っているように思う。

上級者向けの長さ固定ポール

また、基本的にノルディックウォーキングは自宅のまわりでしかやらなそうなので、伸縮機能はそれほど必要でないとわかった。余計な分割・伸縮機能がなければ、その分軽くなって耐久性や安定感も増すだろう。

上級者向けという位置づけになるが、10cm程度しか微調整が効かない長さ固定タイプに興味がある。LEKI製品から選ぶなら、スピードペーサーバリオシャークというカーボン製のフラグシップモデルが気になる。

とりあえずリハビリが進んでアグレッシブスタイルに慣れるまでは、廉価品のDABADAを使い込んでみようと思う。ノルディック用のアタッチメントも付いていて、これ一本で多用途に使える便利な製品だった。自分のように、いろいろ試してみたい初心者には向いていると思う。

(追記)トレッキング用の先端キャップを付けて、山でもポールを使ってみました。

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