膝のアイシングは氷のうがなくても100均の保冷剤で間に合う

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膝の手術後は常に氷で患部を冷やし続ける必要がある。病院内ではスポーツ用の氷のうやアイスバッグを使うのが一般的。専用品なので、生地の素材やサイズ感が適切に設計されている。

しかし原因は定かでないが、氷のうにひどい臭いが染みついてしまうことがある。まるで一度も洗ったことのない、自転車ヘルメットのあご紐のようだ。退院してから代用品を探したところ、100均で売られている保冷剤が使えるとわかった。容量が大きいため持続時間が長く、中に氷を入れたりする手間もない。

その後、自宅でのアイシングはずっと保冷剤を使っている。凍傷などの懸念があるので、誰にでもおすすめできる方法ではない。ただし適当な布やタオルで覆えば、温度調整はいかようにでもできる。洗濯・交換が楽なので、臭いも気にならない。

基本はスポーツ用の氷のう

手術を受けた後は常に膝を冷やして包帯で圧迫し、なるべく体より上に上げておくようにいわれる。応急処置のRICE(Rest, Ice, Compression, Elevation)と同じ原理だ。

前十字靭帯の手術直後は、掃除機のようなかたちをした自動冷却装置を貸してもらえる。ただし台数が少ないのか、すぐ別の患者に回されて、翌日からは自前のアイシング用品を使うようになる。

膝のアイシング

病院内で一般的に使われるのは、スポーツ用の氷のうだ。氷を入れて蓋をすれば2~3時間は持つ。中の氷が解けるにつれて、袋の形も変わって足にフィットしてくる。

氷のうは病院内の売店で、Finoa(フィノア)のものを購入した。院内で販売されている製品は他人とかぶりまくるので、あらかじめ自前の氷のうを用意しておく方がベターだ。

本体は直接肌に当てても冷えすぎない熱伝導性の素材が使われており、凍傷にかかるリスクが少ない。わずかに起毛した生地は肌触りもよい。膝の上はおさまりが悪いので、固定用のバンドもセットで使うと安定する。

機能性は問題ないが、毎回氷をチャージするのが面倒でもある。きついときは看護師さんに頼めば氷を補充してもらえるが、毎回お願いするのもしのびない。松葉杖をつきながら、患者共用の製氷機まで往復することになる。

氷のうについた臭いが取れない

使っているうちに、いつの間にか氷嚢がとてつもなく臭くなっていることに気づいた。おそらく術後数日シャワーを浴びなかった間に、皮脂や垢が染み込んでしまったのだろう。ひどくなると氷のうから1mくらい離れていても、汗臭いを通り越した刺激臭が漂ってくる。

スポーツ用の氷のう

何度か洗濯機で洗ってみたが、普通の布でないせいか臭いが取れにくいようだ。さすがに病室やリハビリ室で使うとまわりに迷惑をかけるので、くさい氷のうは処分せざるをえなかった。

保冷材を膝に固定するコツ

退院して自宅に戻り、何とか他で代用できないかと考えたところ、100均で買った大きめの保冷剤がしっくりきた。使い方としては、凍らせておいた角型の保冷材を手拭いやタオルで包み、大雑把に結んで膝に固定するだけ。

100均保冷剤でアイシング

保冷剤を当てる位置は膝の少し上あたり。ちょうど腫れると水がたまる、大腿四頭筋の付着部周辺に置くと安定する。このまま立って歩くとずり落ちてくるが、椅子に座ったり寝ている分にはまず問題ない。

氷のうより持続時間が長い

最初は氷が固いが、徐々に解けて膝のかたちになじんでくる。接触位置はピンポイントでも、やがて膝全体が冷やされる。ミニサイズの保冷剤を複数巻き込む方法も試してみたが、結局ビッグサイズ1個で十分、寿命も長いと気づいた。

100均の保冷剤

接触温度はタオルの厚みで調整できる。自分の場合は薄い手拭い1枚でそのまま地肌に当てても、冷えすぎて皮膚が痛むことはなかった。もし市販の氷のうで冷却が足りないと感じるなら、この方法でそれ以上に冷やすことができる(試すのは自己責任で)。

タオルは汎用品なので、まめに洗濯・交換できる。保冷材がぬるくなったら、そのまま冷凍庫に入れて再び凍らせるだけ。少し時間を開けてチャージすれば、1日に何度も再利用することができる。

氷を入れる手間がなくダイレクトに冷せる分、氷のうより保冷材の方が使いやすかった。何より導入コストが安いので、冷凍庫に複数スタンバイさせておいて両膝同時に冷やすこともできる。