青梅丘陵ハイキングコース、矢倉台から辛垣城・雷電山を経て軍畑駅まで

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連日猛暑が続いている東京。標高の高い山の上なら少しは涼しいかと思って青梅丘陵のハイキングコースを歩いてみた。

ヤマレコ、青梅丘陵

青梅駅から出発し、高水三山を経由して御嶽駅まで進もうと思ったが、あまりの暑さに水が尽きて軍畑駅にエスケープ。標高500mくらいの山々で、たいして涼しくはなかった。

青梅は山に恵まれている

青梅までは自転車自走。12時頃に到着したが、すでに汗だくでコンビニのピルクル500mlを補給した。青梅駅の裏に永山公園という丘陵があり、テニスコートのある坂を上るとハイキングコースの始点に出られる。

青梅の永山公園

桜見本園の階段を上った先に青梅鉄道公園という施設があり、家族連れでにぎわっていた。埼玉にある鉄道博物館に似ているが、屋外展示されている車両は蒸気機関車ばかり。最新の車両でも1969年の0系新幹線と、かなり古い展示物に見えた。

ハイキングコースの青梅寄りは舗装されていて歩きやすい。地元の人の散歩コースになっているようで、中にはフル装備のトレラングループもいる。

青梅マラソンに向けての練習か、普段から青梅街道沿いを走っている人は多い。すぐ裏山に、ゆるく走れるハイキングコースがあるのは恵まれている。

山沿いから都心に通える高尾に住む人が増えているが、山好きには青梅もなかなかいいと思う。青梅特快に乗れば新宿まで1時間以内に着く。ただし毎日通勤するとすれば、中央特快と京王線の特急、どちらも使える高尾駅の方が便利といえる。

灼熱のハイキングコース

とりあえずハイキングコースの終点らしい矢倉台を目指して歩く。道のりは3kmでなだらかだが、普通に歩いているだけで額をしたたる汗が止まらない。

青梅丘陵ハイキングコース

休憩中、地元の人から聞いた話では、「普段は風が吹いて3~4度涼しいはずだが、今日は全然ダメ」とのことだった。たとえそのくらい気温が下がったとしても、ふもとは36度もあるのでたいして変わらないだろう。始終木陰にいても、運動量がそれなりにあるので暑さが和らぐ気配はない。

ハイキングコースには途中4つの休憩所がある。ただしいずれも見晴らしの良い高台にあり、日影がなく暑そうだったので寄らなかった。

青梅丘陵ハイキングコース案内図

ときどき青梅の町を見下ろせる展望スポットがある。飯能から秩父の方まで延々と山が続いている。

青梅丘陵ハイキングコース展望スポットからの眺め

奥多摩から南の丹沢方面はだいぶ歩いたが、北の秩父側はほとんど自転車でしか行ったことがない。これから登山道も開拓していくのが楽しみだ。

矢倉台以降は本格登山道

矢倉台を超えると、徐々に本格的な登山道になる。あまりに暑すぎるのか、日曜でもすれ違う人はまばらだった。こんな暑い日でも山に登るような人は、雲取山などもっと奥の方を攻めているのだろう。

ハイキングコースに毛の生えたような、中途半端な登山道はあまり人気がない。遠方の人を呼び込むには特徴が少ないし、地元の人が散歩するにはやや険しすぎる。途中の三方山や辛垣城跡も地味で、これといった売りもない。

『山と高原地図(奥多摩)』で、青梅丘陵ハイキングルートは一回り細い線で表現されている。凡例を見ると「遊歩道など」と表記されているが、矢倉台以降は未舗装でそこそこ傾斜がきつい。実質的には普通の登山道と思っていいだろう。

一か所だけわかりにくい分岐あり

矢倉台の先に一か所だけわかりにくい分岐があり、なんとなく上り坂を避けて右の巻き道の方に進みたくなる。

青梅丘陵ハイキングコースの分岐点

すぐ横の木に「山道を経て栗平方面へ」となかば埋もれかけた道標があり、間違いに気づいて引き返すことができた。

青梅丘陵ハイキングコースの道標

基本的には軍畑・青梅方向への距離がこまめに掲示されていて親切な登山道だ。道標がない分岐点はほかにもいくつかあったが、どちらに進んでも合流するので迷う恐れはない。

不思議な鳴き声のセミ

途中、地図にない「名郷峠(長尾峠)387米」という分岐があった。ここから下りれば二俣尾駅にショートカットできるようだ。線路に沿ってすすむルートなので、要所要所に駅へ下るエスケープルートが用意されているのはありがたい。

名郷峠の道標

道すがら、ほとんど木陰で日が当たらないのはいいが風がないので蒸す。あまりの暑さに鳥もバテているのか、聞こえるのはセミの鳴き声ばかり。

途中、体調3cmくらいで羽根が透明のセミが大量に発生していて、羽虫のようにバチバチ体に当たってきた。「ケッケッケッ」という独特な鳴き声で、最初は鳥なのか虫なのか不思議に思ったが正体はセミだったようだ。

あとで調べるとチッチゼミというのに近そうだが、鳴き声からするといまいち自信がない。セミの種類はそれほど多くはないはずなので、今度見かけたらじっくり観察してみたい。わりと警戒心が強いらしく、素手で捕獲するのは難しそうだった。

辛垣城はスキップ

このルートで唯一の見どころといえるのが辛垣城(からかいじょう)と呼ばれる城跡だ。三田氏という豪族が治めていたが、1563年頃、北条氏に滅ぼされたとの説明がある。ちょうと八王子の滝山城に似て、曲輪や堀切が連なる地形はいかにも山城らしい。

辛垣城の由来

城跡を見に行くには登山道からそれて、かなりの急坂を登る必要がある。なるほど居城に選ばれるだけある天然の要害。坂がつらそうなので、見学するのはまた今度にした。

標識が目立つ雷電山

辛垣城の先に標高494mの雷電山という頂がある。Mt. Raiden、こんな地味な場所にしては、奥多摩界隈で見たことがないくらい標識が立派だ。

雷電山の山頂

先ほどハイキングコースですれ違った人に「青梅から秩父にかけてよく雷が鳴る」と伺ったので、名前の由来はそれだろう。標高は低いが、ここまで来る途中の傾斜が半端でない。日の出山の山頂付近と同じくらい階段が長かった。

真夏の登山に水はたっぷり必要

雷電山の山頂で休憩中、持ってきた水を飲み干してしまった。ナルゲンの0.65リットルボトルにたっぷり入れてきたが、この気温で3時間も活動したら全然足りない。食料は十分にあるが、水が尽きるとピンチだ。

夏場の登山は1リットルか2リットルは水がほしい。グレゴリーのトレランバッグに付属していたウォーターリザーバーは処分してしまったので、最近出ている折りたためるタイプの水筒を買い足しておこうと思った。

Platypusが有名だが、EVERNEWの方が少し安い。店頭で手に入れやすいのはモンベルの製品だろう。

ナルゲンの固いボトルは安定感があるが、さすがに2リットルの水を持ち運べるサイズはない。中身が減るにつれて容量圧縮できるパッケージの方が便利そうだ。

粉飴ジェルがお気に入り

徳之島トライアスロンのお土産でもらった粉飴ジェルを試してみた。粉末タイプの粉飴はマルチデキストリン100%で、片栗粉みたいな素朴な味だった。ジェルタイプの方はクエン酸が追加されていて、ほのかに酸味がある。

ネットの通販で20本パックを買えば、1本100円以下で済むのもリーズナブルだ。アミノバリューのスティックより安い。

粉末タイプは無添加なので体によさそうだが、運動中は使い切りジェルタイプの方が便利だ。粉末と同じく甘さ控えめなので、登山やレースで続けて摂取するのに向いている。

トライアスロンのバイクパート、定番のスポーツ羊羹も4本くらい続けて食べるとさすがに飽きてくる。粉飴ジェルと交互に食べてローテーションすれば良さそうに思った。

榎峠から軍畑駅へは一般道

さらに急坂を下ると道路が見えてきて、どうやらこの先の榎峠は一般道らしい。地図を見ると軍畑から成木方面へ抜ける峠道のようで、まだ自転車でも来たことがない。名栗湖の方に向かうなら青梅から吹上トンネルを抜けて北上するのが最短だから、いまいち使いどころのないルートだ。

軍畑~成木の峠道

そのせいかロードバイクは一台も見ない代わりに、走り屋タイプの車やバイクが盛んに往来していた。駅まで下りる途中、4回すれ違った車もある。自転車で坂を上る人も物好きだが、灼熱の峠をひたすら車で往復するのもストイックな趣味だ。

金比羅尾根に似たなだらかなコース

青梅街道に戻る途中で陸橋をくぐり、軍畑駅にはUターンして坂を上り直す必要がある。初めて利用した駅だが、目の前に小さな売店があり自販機も充実していて助かった。

ポカリ500mlを一気に飲み干し、モナ王を食べて糖分補給。他にも飲料や菓子パンが揃っていたので、登山前の食料調達にも使えそうだ。

軍畑駅前の売店

青梅丘陵ハイキングコースは、武蔵五日市の金比羅尾根と似たような印象だった。基本的になだらかだが、奥に進むとかなり長くて起伏も激しくなる。この先さらに高水山や岩茸石山を超えて棒ノ折山、川苔山まで続いている。

今日は歩きだったが、青梅側は起伏が少ないのでトレラン練習にもよさそうだった。奥多摩駅までJRの線路に沿って登山道が続いており、途中で下れば駅までたどり着ける安全なコースだ。