Recon JETスポーツ用スマートグラスレビュー(ラン&バイク)

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海外ウェブサイトで注文してから1年半、Recon JETがやっと届いた。

スポーツ用に特化したヘッドマウントディスプレイ(HMD)としては、抜群にカッコいいビジュアル。先に発売されたスノボ用のHMDより、改良された点も多そうだ。ようやく「本当に使える」スマートグラスが登場したかと期待が膨らむ。

Recon JET

まずは近所をランニングして、Recon JETの使い勝手を試してみた。

装着感と操作性はまずまず

装着した第一印象としては、似たような単眼HMDのGoogle GlassやVuzix M100より安定感がある。フレームもアクティブな利用シーンを想定して、太めに設計されているようだ。側面のスワイプ、ボタン操作も感度はよい。

プリインストールされている機能から、Active>Runを立ち上げて、立川の昭和記念公園外周を走ってみた。4’20″/kmくらいのペースで15km、1時間強のランニング。

視界には、サイクルコンピューターのようにDISTANCE~DURATIONが表示される。GPSで走行ペースを自動計測して、リアルタイムに知らせてくれる機能も便利だ。

走行距離の情報は、視界をふさがないよう、やや下側に投影される。ピントが合うよう調整するのは、やや難しかった。フレームの可動部にもう少し自由度があってもよかったと思う。

GPSの精度はかなり正確

基本的にHMD側は簡易操作と記録がメインで、ログの確認はBluetoothでつながったスマホアプリで確認することになる。専用アプリはFitbitと似たような仕様。画面もすっきりしていて好感が持てる。

Recon JETアプリ画面

GPSでトレースされた走行経路はかなり正確で、後からGoogleマップ上で測った距離とほぼ一致した。今のところルート記録と距離・時速表示がメインだが、将来的に心拍計や他のセンサとも連動できると便利になりそうだ。ANT+とBLE対応なので、拡張性は担保されている。

電力消費を抑えるGlance Detection

製品のマニュアルを読んで気づいたのが、ひそかに搭載されていたGlance Detection(視線検知)という機能。ゴーグルの内側にもカメラが仕込まれており、眼球の動きを追跡している。そして画面を見ていない間は自動でスリープ状態になり、電力消費を抑えるオプションが選択できる。

事前にしっかりキャリブレーションすると、かなりの精度で画面をオンオフできた。この種ののウェアラブル機器はバッテリーの持ち時間が気になるところ。使わない間はスリープして寿命を延ばすのは、画期的な新機能に思われる。

ランニング中にGlance Detectionを有効化してみた。感度は悪くないが、実際には走りながら路面状況を確認するため、頻繁に足元を見ることになる。するとその度に画面が点いたり消えたりするので、かえってうっとうしい感じがした。この点はソフトウェア的に改良できそうなので、判定時間や動作間隔を自分で設定できる機能があればよかったと思う。

バンドで固定するとより安定

他社製品より安定感はあるとはいえ、重心が前側に偏るので走っているとずり落ちそうになる。その点は市販のスポーツ用メガネバンドで固定すると解消できた。

Recon JETをメガネバンドで固定

想定用途からすれば、バンドも付属品として販売してもらった方が親切だと思う。

気になるバッテリーの持ち時間

夜間にサングラスは必要ないので、オプションの透明グラスに差し替えることができる。夜に走る際は、画面の明るさを最低値まで下げても十分に視認できた。

ゴーグル側の画面を常時点灯していると、画面輝度最低でも1時間でバッテリー容量は20%まで減った。満充電してから今度はGlace Detectionを有効化して走ったら、1時間後も半分は電池が残っていた。使い勝手に癖はあるが、長時間使うなら自動スリープの併用は必須といえる。

汗っかきには向かないかも

スポーツ用ということで、気になるのはその耐久性。汗っかきな体質なので、1時間も走るとレンズもフレームもべっとり汚れてしまった。特に動作は問題ないようなので、ある程度の耐水・耐汗性は確保されているようだ。ただし「完全防水」とまではうたわれていない。

よく見るとレンズとフレームの隙間に汗が入り込んでしまい、翌朝になってもべたつきが残っていた。気になるなら、ワークアウト後は毎回ウェットティッシュで拭くなどしてメンテナンスした方がよいだろう。今のところ石鹸で丸洗いできないのが残念だ。

バッテリーはホットスワップに対応

Recon JETのフレームとレンズを分解すると、下の写真のようになる。

分解したRecon JET

ディスプレイの付いた本体の反対側にバッテリーユニットがあり、フレーム内の導線を通して給電しているようだ。バッテリーがカウンターウェイトも兼ねていて、顔の上でバランスがとれるようになっている。

まだ試していないが、海外のレビューサイトによると、使用中のバッテリー交換(ホットスワップ)にも対応しているようだ。長時間利用する際は、予備バッテリーも充電して持ち歩けば動作時間を延ばすことができる。

Recon JETのカメラ撮影画像

Recon JETはGoogle Glassと同様にカメラ機能も搭載している。静止画だけでなく動画撮影も可能だった。

Recon JETのカメラ撮影画像

夜間撮影ということもあって、画質はいまいちに感じる。解像度も荒い。

Recon JETのカメラ撮影画像

本格的な撮影には向かないが、トレーニング中のちょっとした記録程度には使えそうだ。

ポテンシャルは高いが価格も高い

夜間のランニング中、腕時計のバックライトを点けて時刻やラップタイムを確認するのはわずらわしい。ハンズフリーで情報確認できるスマートグラスは、この手のスポーツと相性がいい気もする。

今回、海外から取り寄せたRecon JETは輸送費も含めて9万円くらいかかった。趣味の道具として、決して安くはない。GPS機能をそなえたスポーツ用腕時計が3~4万で手に入る現状を考えると、コストパフォーマンスもいまいちに感じる。

装着感はこれまでよりだいぶましといえ、普通のサングラスより重くてかさばる点は否めない。ガジェット好きにはたまらないが、メンテナンスや充電の手間も考えると、Recon JETはすべてのランナーにおすすめできる製品ではなかった。

将来的にGlance Detectionを使いこなせるよう練習したり、他のセンサーと連動できる機能が追加されれば、利便性がデメリットを上回る日が来るかもしれない。

ロードバイクでRecon JETレビュー

ウェアラブル端末のRecon Jetレビュー。今回はロードバイクで、Recon Jetを装着しながら多摩川サイクリングロードを40kmくらい走ってみた。

Recon JETのアクティビティー記録

普通にサイコンを見た方が便利

テスト中、本体のバッテリーを節約するため、画面の明るさはあえて最低値に設定した。

レンズをサングラスに替えても表示が薄めになってしまったが、自転車では長時間利用が前提なので仕方ない。先にランニングで試した感じでは、最低輝度でも常時点灯では1時間強で消耗してしまう。念のためGlance Detectionも有効化しておいた。

走行中、少し目線を下げるとゴーグル画面でスピードや距離など知ることができる。目の動きとしては、ハンドルまわりに取り付けているサイクルコンピュータやスマホを見るのとたいして変わらない。

カーナビやサイコンに比べて、「HMDやHUDは運転中に視点を動かさなくていいから安全」と言われることがある。しかし実際に使ってみると、画面を注視する間はピントが外れるので、どうしても前方確認がおろそかになってしまう。

しかもRecon Jetは片目で利用するため、数字を読み取るのに時間がかかる。Google Glassも含めた単眼型HMDに共通の問題として、「片目で物を見る」という動作に人間は慣れていないようだ。普通に下を向いて両目でサイコン画面をチェックする方が、ずっと楽で安全に思われた。

後方確認しにくくなる問題

さらにRecon JETの致命的なデメリットとして、視界右下がディスプレイでふさがれてしまうため、右側の後方確認がやりにくくなってしまう。グラスはシースルー表示でないため、どうしても視界に死角ができてしまう。

サイクリングロードならまだしも、公道で右うしろが見にくいのは相当なストレスだ。走行中は何度も振り返ったり、わざわざメガネをずらして後方確認するようになってしまった。

もしかすると、Recon JETは右側通行のアメリカでの使用を前提としてデザインされたのかもしれない。処理ユニットとバッテリーを入れ替えて、左右反転できる構造にもなっていない。これは日本やイギリスなど左側通行の国で使う上では、致命的な設計ミスとも考えられる。

スリープさせればバッテリーは長持ちする

結局ツーリング中は途中でわずらわしくなり、ほとんど画面を見ることもなくなってしまった。やや重量はあるが、高価なサングラスとしては十分役に立つ。

画面を注視しない間はGlace Detectionが効いて、ほぼスリープ・消灯状態だったらしい。2時間弱使った後でも、バッテリーは半分くらい残っていた。ただしその間も、GPSによる走行ルートと距離はランニングのときと同様、正確にとれていた。

Recon JETのアクティビティー画面

PC・ブラウザ上から詳細設定可能

Recon JETはスマホだけでなくPCからも設定できる。専用アプリをインストールしてブラウザ起動、ログインするとダッシュボード画面が表示される。

ブラック基調のインターフェイスがやけにカッコいい。Recon JETはデバイスのデザインも含めて、Apple製品並みにUXが洗練されていると思う。

Recon JETのダッシュボード画面

デバイス側のメモリ容量は限られているが、事前にマップを転送してオフラインで確認できるという高機能がそなわっている。

Recon JETのダッシュボード画面
ゴーグル画面に表示する、速度や距離などの情報もカスタマイズできる。このあたりは高機能なサイクルコンピューターとよく似た使い勝手だ。

Recon JETのダッシュボード画面
Facebookと連動してアクティビティーをシェアすることもできる。ちょっと走ると「記録更新。おめでとう」的なメッセージが届くのは、Fitbitのようなエクササイズ系アプリと同じだ。

Recon JETアプリの走行記録

ここまでソフトを作り込んでいるなら、信号停止時のオートストップや、走行記録をシェアする際、自宅の位置をぼかせるプライバシー機能もあればよかったと思う。その点はStravaのようなスマホアプリの方が進んでいる。

話のネタとしてはあり

Recon JETをランニングで使った印象はそこまで悪くなかったが、自転車での利用はかなり課題が多いと感じた。ケイデンスセンサーやパワーメーターとも連動できる可能性はあるが、競合するサイクルコンピューターの市場に食い込むのは容易でないだろう。

とにかく後方確認のやりづらさが気になるので、まずはディスプレイをシースルー化するか、左右交換できるように改良してもらいたい。機能拡張より先に、基本的な安全性を確保する必要がある。

とはいえ、ロードバイクのユーザーはランナーに比べると機材にお金をかける傾向がある。ホビーライダーでも10万以上するスペアのホイールを持っていたりする世界なので、新し物好きには受け入れられるだろう。

GPSロガーと考えれば、Recon JETは十分実用的。既存製品に比べれば高級感があり、ルックスも悪くない。仲間内での話のネタに、5万以下に値下がりしたら買ってもいいという人も出てきそうだ。

練習してGlace Detectionやホットスワップを使いこなせるようになれば、もっと便利になる可能性はある。ハンドルまわりのガジェットを減らして、ゴーグルに表示機能を集約する意味では、若干の空気抵抗削減も期待できそうだ。

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プロレベルの人が本気で使いこなせば、Recon JETは真価を発揮するアイテムなのかもしれない。