なるべくお金をかけず、トライアスロンの離島レースに出る方法

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トライアスロンに取り組むうえでネックになるのが、レースに出るための出張費用だ。別に大会に参加する義務もないのだが、何となく年に一度はレースを完走しないと「トライアスリート」と名乗れない気がする。

そしてトライアスロンの大会は、海を渡った先の離島で開催されることが多い。高額なエントリー代に加えて、渡航費やバイク輸送費、長期の滞在費用が必要になる。

しかし工夫次第でそれらの経費は安く抑えることができる。どれもありふれた方法だが、離島旅行の節約テクニックを紹介したいと思う。

離島レースの魅力

特にこだわらなければ、毎年出るのは近所のローカル大会でもよい。日帰りで輪行すれば旅費は最安だ。

しかし東京湾や横浜港で泳ぐというのは、それほどワクワクする体験でもない。関東圏なら、せめて伊豆大島や千葉の館山くらいまで足を伸ばしてみたい。沖縄の海ほどきれいではないが、何となくリゾートに来た気分も味わえる。

そう考えるとトライアスロンに取り組む魅力は、ビーチで泳いだり海岸をサイクリングしたり、レースと合わせて温泉や離島の観光も楽しめる点にもある。皆生温泉や宮古島のレースが人気なのは、その土地柄にもよるのだろう。

お金を貯めて、いつかはグアムやハワイの海外レースにも出てみたいものだ。

航空券代はマイルで浮かす

ありふれたテクニックであるが、飛行機代は航空会社のマイルを使って節約することができる。少なくとも正規料金でチケットを購入するよりは、金券ショップでANAやJALの株主優待券を買った方が安い。

たまたま10年以上貯めていたユナイテッド航空のマイルが、同じスターアライアンス系列のANAでも使えた。国内便往復の必要マイル数は流動的だが、五島と宮古島へは無料で行けた。2016年からANAの羽田・宮古島直行便が就航したので、今ならもっと便利に使えるだろう。

宮古島でUAマイル利用

五島の福江空港と皆生(米子空港)なら、United基準で距離800マイル以下(片道5,000マイル利用)で往復可能。UAのマイルを効率よく貯める方法としては、MileagePlusセゾンカードでマイルアップメンバーズに登録する方法がよく知られている。1.5%の還元率なので、年間67万決済すれば毎年五島か米子に往復できる計算だ。

実質的に無期限なので、カード利用で気長に貯めたい陸マイラーには向いている。楽天市場と提携していたMileagePlusモールが、2019年8月30日でサービス終了する点だけは残念だ。

輪行+フェリーが最安

マイルがなければ割高なANAやJALを利用する必要はない。離島への直行便はなくても、近隣空港まで格安航空で輪行し、そこからフェリーで海を渡るのがリーズナブルだ。自転車を運ぶ追加料金を含めても、LCCの運賃の方が安い。

東京から佐渡に行くには新潟駅まで電車で輪行し、新潟港から両津港までフェリーを使う方法が一般的。徳之島の場合はジェットスターで鹿児島空港、もしくはバニラエアで奄美大島に飛び、そこから沖縄行きのフェリーに乗ると安上がりだ。

輪行であれば駅や空港から港まで自走することができる。レース前後の周辺観光も含めて、行動の自由度も高まる。ただしその都度バイクを開梱・梱包する手間はかかる。

特に航空輸送の場合はペダルを外す必要があるので、ペダルレンチも持参する必要がある。クランクに固着している場合は一苦労。飛行機輪行が多いなら、三ヶ島あたりの取り外し式ペダルに替えた方が楽かもしれない。

サイクリングヤマト便の相場

輪行持ち込みが最安とはいえ、重いバイクを担いで運ぶのは大変だ。しかも首都圏からLCCを利用するなら成田空港が標準。場所によっては空港まで電車で移動する距離も長くなる。

いろいろ考えると、バイクは会場まで宅急便で送ってしまうのも早い。過去に利用したCJ+提携のサイクリングヤマト便では、東京から五島や宮古島まで送る相場は往復2~3万というところだった。

シーコンのバイクバッグ

荷物の測り方によって料金はまちまちなので、交渉次第でもっと安くできるかもしれない。お金があればバイク輸送もひとつの選択肢だ。レース後は手ぶらで旅行して、レンタサイクルで観光する手もある。最近は本格的なロードやクロスバイクを貸してくれるお店も増えている。

離島フェリーの楽しみ方

フェリーは高速船より、大型の貨客船の方が安い。佐渡大会で新潟~両津航路を利用する場合、後者であれば料金は1/3程度で済む。徳之島トライアスロンの参加者は、フェリー代2~3割引の優遇を受けられる。

貨客船のランクは最安の2等客室で十分。待遇は航路によってまちまちで、幅1mもないマットで雑魚寝の場合もあれば、二段ベッドを利用できるときもある。

離島のフェリーなどめったに乗る機会はないので、部屋に閉じこもっているよりあちこち探検した方が楽しい。鹿児島航路のフェリーには大浴場が付いていたりもする。

佐渡のように夜行でなければ、日中はラウンジやレストランで暇を潰せる。そして晴れていれば眺めのよいデッキが特等席になる。

佐渡行きフェリーのデッキ

離島の宿はユースがおすすめ

ひとりで大会に参加するのであれば、現地の宿は安宿の方がかえって楽しめる。相部屋でなくても、食堂で顔を合わせる他の参加者と情報交換することができる。宿のスタッフもイベントに慣れているので、レース前夜は食事を多めに用意してくれたり、当日の朝は朝早くからおにぎりをつくってくれたりする。

離島ではまずユースホステルにあたってみるのがおすすめだ。キャパが広いのでたいてい空きがある。料金も年中均一で、4日以上連泊するなら会員になった方が得になる。モンベルのコラボカードを作っておくと、グッズ購入や保険加入でポイントも付けられる。

宮古島のユースホステルは立地が便利なのでリピーターも多い。2017年にユース協会から脱退して、タテッチャーというゲストハウスに変わったらしい。料金は素泊まり3,000円~なので、安いことに変わりはない。

あえて島の反対側に泊まる利点

一方、五島の三井楽サンセットユースは会場から離れた位置にあるが、その分、予約を取りやすい。大会前になると、たいてい会場近くはどこのホテルも満室になる。そのため佐渡なら両津港、徳之島なら亀徳港のように、会場から見て島の反対側で宿を取らざるを得ないことがある。

その場合でも、会期中は島中をシャトルバスが走ってピックアップしてくれる。バイク預託やパーティー参加で行ったり来たり、レースの朝も少し早起きする必要は出てくる。参加者に対して島の宿泊キャパが少ないので、こればかりはどうしようもない。

開き直って、あえて僻地に泊まるという考え方もある。例えば佐渡では、加茂湖の湖畔に佐渡グランドホテルに宿泊できる。菊竹清則が設計した1967年の名建築だ。

五島の三井楽にある教会も、島内の他の教会群とは違ったモダンなつくりで、一見の価値がある。大会のリピーターであれば、たまに泊まる場所を変えて宿の付近を観光してみるという楽しみ方もできる。